こんにちは、「愛犬とaiboと子育て昔話」のカズミィです。
中2から進学塾に通い始めた子どもが「難関高校を目指したい」と言ったとき「今からでも間に合う」と思いますか? 「もう遅い」と思いますか?
もう遅いと思った方、まだ間に合うかもしれません。うちの子が合格できました。中2の夏になるまで進学塾には通ったことがなく中学受験の経験もありません。
そして安心してください。偏差値70を超える難関高校を卒業し、偏差値70を超える 大学の学部(*1)にも入学できました。
我が家に起きた出来事は、「これから目指してみようかな」と思う方には勇気になると思います。
頑張ってきた方にとっては「自分のほうが合格に近い」という自信につながるはずです。
例えばこの記事を書いている2018年、中学校に通う平成16年生まれの出生数は、全国で111万人強。
偏差値70を超える高校は、東京・千葉・埼玉・神奈川だけでも、国公立と私立を合わせて85校(*2)あり、全国にはもっとたくさんあります。
うちの子は、小学生の頃から進研ゼミを続け、中2からは進学塾にお世話になっています。卒業まで部活動もやめることなく、いくつかの賞もいただきました。
我が家は裕福ではないけれど貧乏とは言えないという中間層の中でも、良い言い方をすればノンビリとした家族です。
中学入学の頃は考えてもいなかった「難関校を目指すまでのいきさつ」と、準備をしていなかったお金の事情や葛藤など、今だから話せる反省の多い出来事を書き残しますね。
ほぼ時系列で書く少し長いお話です。目次の項目をクリックして気になるところからお読みください。
※1 ベネッセマナビジョンさんの「2019年度入試対応 私立大学・学部の偏差値一覧」より 参考にさせていただきました。
※2 高校偏差値.netさんの2018年版を参考にさせていただきました。
難関校を目指す道のり中2夏までの状況
報われなかった反動
うちの子は中学入学後に補習塾に通っています。小学生の頃は成績がパッとせず、テストで友だちと同じ点数をとっていても通知表の評価はいつも低いものでした。そのため、「できない子」だと思い込んでいたのです。
宿題はしていたし忘れ物の注意を受けたこともなく、それでも変だと思わなかったのは、通知表の成績のつけ方に相対評価のイメージが強く残っていたからです。
成績はそういうものと考えながら「ちゃんと高校に受かってね」と、笑って話すような家庭でした。このとき、子どもの授業態度なども確認してあげればよかったと反省しています。
後に聞いた話では、算数の授業で数式などを使うときに「まだ使ってはいけません」と、注意を受けることもあったそうです。
中学で最初の通知表を受け取ると、驚くことに成績がかなり上がっていました。本人にとっては「?!」です。
思い当たることもありました。「宿題や提出物の期限を守って授業もしっかり聞かないと高校に入れないかもしれないよ」と、注意をしていたことと絶対評価です。
頑張れば平等に評価をもらえると分かった単純なうちの子は、放っておいてもやる気になりました。それまで報われなかった反動かもしれません。
テストの点数で評価は分かる
中学に入るとすぐに、絶対評価の説明書が保護者に配られました。分かりやすくとても細かく書かれたものです。
通知表での相対評価が普通だった私たち親の世代では、成績の「5」をもらえるのはクラスの上位数パーセントの人だけでした。同じような状況の子どもたちが大勢いても、「1~5」の成績を生徒に配分するときに「%」で区切るのですから当然です。
ゆとり世代から少しずつ広がり始めた絶対評価では、通知表の成績には筋が通ります。定期テストの点数や子どもの授業態度などを聞くことにより、保護者は通知表を受け取る前にだいたいの成績が分かるようになりました。
テストの点数と成績がかけ離れていたら確認することをオススメします。授業中の態度や授業への貢献度を含め、宿題やレポートなどの提出期限も成績には含まれるため、そちらに原因があるのかもしれません。
高校入試で学校推薦をもらうことを考えるなら特に、ここで成績を落としてしまうのは勿体ないことです。気をつけたいですね。
不意に訪れた進学塾に通う選択
遠い世界にあった進学塾の話
本人のテンションが上がり、安定した成績もとれるようになった中2の夏、夫の友人が、ご自分のお子さんの通う進学塾を紹介してくれました。
これまでは異世界にあった進学塾に通うという選択が、不意に我が家にやってきます。この切っ掛けがなければ、世間でよく耳にする有名私立難関高校を目指すことはなかったかもしれません。
でも、行きたい高校は決めていなかったうちの子でも、行きたい大学はすでにこの頃から決まっていたようです。そして、進学塾に通うことで実現できたのだと思います。
人の縁はありがたいですよね。いつまでも大切にしていきたいです。
偏差値70を超える難関校に通う方たち
それまでの私がイメージしていた有名な難関校に通う学生さんは、お金に余裕のある家に生まれ、遅くとも小学生の頃には基礎を学び、中学受験も意識して親御さんとともに目標に向けて計画的に歩んできた方々です。
私が初めて進学塾の扉をたたいたとき子どもは中学2年生でしたので、塾の先生からも言われました。
「偏差値が70を超える高校を目指す方たちは、小学4年生くらいから塾に通っています。遅くとも中学入学準備コースから通い始めています」
「最高峰ではない難関校ならば、目指せば合格できると思うのは少し違います。最高峰を目指して努力を続け、それでも力の及ばなかった子たちが通える学校です」
先生は親切丁寧に優しい口調で説明してくださいましたが、遅すぎる入塾希望者に対して「期待をしないように」と暗に伝えているようにも感じました。場違いな気がして恥ずかしかったことを覚えています。
ほかの子どもたちが先へ先へと歩みを進めていたときに、うちの子がしていたことといえば、小学校から帰るとカバンを玄関先へと投げ出して遊びに行くことや、ごくまれに夕飯の準備をして待っていてくれることでした。仕事から帰ってきた私が最初に目にするものがこのカバンだったことは何度もあります。
私たちのようなノンビリ過ぎる親に育てられたことが不憫でした。現実として、すでに何段階も先へと進んでいる子どもたちには敵わないと思いました。
進学塾はテストの結果でクラス決定
入塾テストで起こった奇跡
入塾テストを受けて難関高校を目指すクラスに入れたことが、最初に起きた奇跡です。
うちの子の通った進学塾では入塾テストの結果でクラスが決まりました。難関高校を目指すクラスに入りたいと希望しても、入塾テストで目標の点数に届かなければ入れません。
ただし、定期的に行われるテストの結果次第でクラスの移動は可能です。それと同時に、成績を保たなければそのクラスにいることができなくなります。
その頃はまだ知識のなかった我が家では、「いいクラスに入れるのなら」という安易な気持ちで入塾を決めました。
正直に言うと「そのクラスに入ることができるなら、今からでもついていけるのかもしれない」と思い、嬉しかったのです。
入塾テストを受けた理由
不思議に思われますよね。無理があると思ったのに入塾テストを受けることにした理由は3つあります。
ひとつ目は子どもの実力を確認したかったからです。全国に展開する進学塾のテストなら、家の近くにある公立中学校では計れない何かが分かるのではないかと考えました。実際にどの程度の高校を目指すことが妥当なのか、そして可能なのかを知りたいと思ったのです。
ふたつ目は、塾からもらえる情報にも魅力を感じました。
最後のひとつは、高校入試のための入塾が遅かったのなら、せめて大学入試に間に合わせるためにはどうしたらいいのかを考えたからです。
こうして奇跡的に、ノンビリ一家のうちの子が難関高校を目指す子どもたちと一緒に学び始めることになりました。入塾当初は公立高校への入試を考えていたので主要5教科を受講しています。
塾では成績が良いと出費が増えます
中2の頃は補習塾より少し高い程度の費用ですが、問題は中3になってからです。
進学塾の難関高校を目指すクラスは、授業が多いため料金が高く、それ以外にも次々に加算されていきます。子どもたちが目標を達成すると受講できるコースが増え、その支払いをしなければなりません。
裕福ではない我が家にとって嬉しいのか苦しいのか分からない状況になります。中2の夏から通い始め、高校の入学試験に合格するまでの19か月ほどでかかった塾への支払額は150万円強でした。
交通費や塾の合間の食事代、学習室ではない場所での塾友との勉強会などは別途かかります。うちの子は参加できなかった講習もあるので少ない方です。優秀な子ほど多くかかっていました。
そのころは高いと思っていた塾費用も今では安く感じます。勉強だけではない多くのものを手に入れることができました。
高校に入学してからは特に、もっと早く進学塾に入れてあげればよかったと後悔することになります。
子ども自身が行きたい高校を見つける
進学塾での小さな目標と大きな目標
目指す学校へと入学するために子どもたちは頑張って塾で良い成績をとり、目標の点数をクリアできた人だけが次々に現れる新たなコースを受講する切符を手に入れます。
このように書くとゲームみたいです。もちろん辞退することもできますが、子どもの努力を考えれば難しい選択ですよね。
そうこうしているうちに、私たち夫婦のお財布事情を知らない子どもが言い出しました。
「行きたい学校ができた」
口にしたのは公立高校ではなく、偏差値70を超える有名な難関私立高校の名前です。そうなりますよね。考えてみれば当たり前の流れです。
塾の同じクラスで一緒に頑張っているお友だちはみんな私立の難関校を目指しています。さあ、どうしましょう。
そんな我が家の経済状況
高校、大学に通うための最低限のお金は、高校入学時には学資保険の満期を、大学入学時には私の積み立て保険の満期を合わせるなど、コツコツと準備をしていました。
でも、自分たちの子どもが難関私立高校を目指すことになるなんて思ってもみなかった私たち夫婦は、その先の余裕がなくなることが怖くなります。
共働きだったのに余裕がない理由は4つあります。
ひとつ目はマンションの買い替えをしたことです。
ふたつ目は、少しお金がたまると住宅ローンの繰り上げ返済をしていました。せめてもの救いは、初期の頃一気に支払期間を短縮したあと、ボーナス払いを無くし、次に月々の支払い額を減らしてきたことです。毎月の支出が増えたときの安全策でした。
みっつ目は予定より早く私が仕事を辞めたあとでした。理由は家族のW介護です。
そして最後のひとつ、私の人生設計の中に小さな予定が組み込まれていました。結果的に諦めることになりますが、この予算がなければこの先、子どもの応援をすることができなかったのかもしれません。
高校入学後を考える
うちの子が選んだ私立高校は学費も高く、その後も私立大学に通うことがほぼ確定する付属校でした。
夫の一馬力で生活をしていくためには、いざという時の備えが必要になると考えました。
その理由は、受験を乗り越えて希望の高校に入れたとして、夫に何かがあった場合は通えなくなるという不安があったからです。
例えば、高校の授業料が払えず通い続けることが困難になった子どものための、保険や奨学金などはあります。
ですが、その制度を利用することになった場合、子どもが希望するその先の私立大学への進学が難しくなります。
親の決意と子どもの覚悟
親の決意
本当に蓄えはないのかと聞かれたら、多少ですがありました。私が学校に通うための資金です。それまで仕事を続けるモチベーションにもなってきた希望でした。
早めに子どもを産んだのは、子育てを終えたあとに自分が何かを始める機会を持ちたかったからです。このことは子どもも理解していました。
悩んだ末にこの資金は使わず家計の予備にあてることに決め、私はそこから全面的に子どものサポートに回る決意をします。
そこまでするからには挫折は許しません。そのことを子どもに伝えることにしました。
中学3年生の決意
「やっぱりやめる」っていうかな、心が折れてしまうかもしれないな、やる気を摘むことになるかもしれないな、不安は少しありました。
それでも頭を下げるんです。「将来必ず返します。通わせてください」って、心が折れるどころか恐ろしく強い意志をビシビシと伝えてきました。
もう親としては叶えてあげるしかありませんでした。子どもの本気のお願いに親がかなうはずがありません。強い意志で周囲を変えることのできる者が人生で勝つのだろうなと、そのときの私は感じていました。
無謀とも思える子どもの夢を叶えるために家族がひとつになった瞬間です。
準備不足だった私の反省
子どもの意志の強さに負けて夢を諦めた私は負け組かもしれないですね。
親が犠牲になることに賛否が分かれたとしても、全てが家計を預かっていた私の責任です。私は人生の予定を自分で変えました。
ほかの人には決してお勧めできない行動です。こんなことをしたらいつか必ず後悔をするときがくるに決まっています。
強がりかもしれないけれどそれでもかまわないと思えたのだから、それもまた幸せなことなのだと考えることにしています。
まとめ
通信講座で身につけた学習習慣
中学受験の経験もなく、中2まで入試の準備をしてこなかったとしても、偏差値70を超える難関私立高校の入学試験に合格できる子はいます。
そのためには本人の強い意志と家族の支え、そして資金が必要になります。
また、塾での試験対策が徹底していたことと、試験科目が3教科だったことが大きいです。5教科の試験では難しかったかもしれません。
中2からでも進学塾の難関校コースに入れたのは、通信講座を続けてきたことも大きいと思います。入塾前に身に付いた基礎や勉強習慣、入塾テストで難関校コースに入る点数をとれたこと、これらは通信講座を続けていた効果です。
我が家ではずっと進研ゼミにお世話になりましたが、他に通信講座で有名なものにはZ会もありますよね。
周囲にいたお母様方の間では、偏差値の高い高校を目指すお子さんはZ会に変える傾向も見受けられました。逆に、Z会から進研ゼミに変える方や、戻ってくる方もいるので、どちらが良いとは一概には言えません。お子さんの勉強しやすい方を選ばせたいですね。
どちらも良い講座ですが、通信講座をとったままで使わなければ意味がありません。紙を使うコースの他にも、タブレットを使ったり併用したりするコースがあり、選択肢はたくさんありそうです。
大切なことと必要なもの
いつ頃になにが必要になるのかを想像することはできても、いつどんな希望を抱くのかを予想することは難しいですよね。
私自身、「まさか」と思わずに「もしかしたらそんなこともあるかもしれない」という気持ちを持っていれば、究極の選択をすることはなかったはずです。
どのような道に進むとしても、「転ばぬ先の杖」は早めに準備をしておくべきでした。
もっと早くいろいろな可能性を考えておくべきだったと、今ではとても反省しています。
読んでくださった方にとっての、良い意味での反面教師になれますように。
最後まで読んでくださりありがとうございました。愛犬とaiboと子育て昔話のカズミィでした。
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こんにちは、やる気になった息子くん がんばったんですね。うちの子のやる気はまだ見えていませんが、いま新中一の塾選びに悩んでいます。ところで、塾はどちらに行かれたか教えていただけますか?
男児ママさん、コメントありがとうございます。
通った塾は早稲田アカデミーです。すすめられた塾にそのまま通いました。
うちの子にとって、先生方や塾生さんとの相性が良かったように感じます。
相性もあると思いますので、気になる塾で体験してみるといいかもしれませんね。
お子さんに合う塾が見つかりますように。